闇の中でひっそりと生活するコウモリは、夕方になるとときたま目にしますが、実はその生態については知られていないことが多い生き物です。
コウモリはどれくらい生きるのでしょうか?コウモリをペットとして飼育していたり、これから飼おうと考えている人にとっては、コウモリがどれだけ生きられるのか気になるところです。
また、家にコウモリが住み着いて困っている方にとっても、いつまでコウモリがい続けるのか、気になって仕方がないという方もいらっしゃると思います。
家にやってくるコウモリを追い出したい方にとっても、コウモリの生態を知ることは大事です。本記事では、寿命や生態、駆除に適した時期など、コウモリについての知識を広範囲にわたってご紹介します。
コウモリは何年生きるの?メスとオスでは寿命が違う!
はじめに、気になるコウモリの寿命について見ていきましょう。コウモリは小さい哺乳類ですが、小さい体の割には寿命が長いと言われます。また、メスとオスでは寿命が変わってくる点にも注目です。
コウモリは高寿命なうえに一気に繁殖するため、放っておくと深刻な問題に発展しかねません。その危険性についても理解しましょう。
小さい割に高寿命!平均寿命は約3~5年
コウモリの寿命は種類によっても異なるようですが、平均約3~5年と言われます。一般的に体のサイズが大きな動物ほど寿命が長いと言われますが、コウモリは小さい割に長生きする動物です。コウモリのサイズはせいぜい数㎝、体重も10gと小柄なのにもかかわらず、何年も生きるのです。平均寿命が約1年と言われるネズミと比べてみても、コウモリはだいぶ高寿命だと言えそうです。
コウモリの中には、10年、20年と生きるコウモリもいるようです。
平均寿命は5年ほどと言われますが、コウモリの場合、性別の 違いによっても寿命が変わってくるようです。メスはオスよりも長生きします。オスは2,3年で死んでしまうのに対し、メスは5年ほど生きるのです。
繁殖力も高いコウモリは、放っておくと深刻なトラブルに
コウモリは数年間生き続ける長寿命であるとともに、繁殖力が非常に強い生きものとしても知られます。屋根裏などを巣にして繁殖されてしまうと、繁殖を抑えるのは難しくなります。
繁殖が盛んになるほど、コウモリ被害も拡大します。野生の動物として育ってきたコウモリにはノミ・ダニが体中にまとわりついていることも多く、巣に残す糞にもカビや病原菌があることがあるため糞害も懸念されます。天井裏にコウモリがいると、糞が天井に染み出して部屋の空気に糞の中の病原菌が混ざってしまうことも考えられます。
このように、コウモリは健康被害を引き起こす厄介な存在です。「数匹しかいないし、そのうち出ていくだろう」と思っていても、気づかない間に家に大量のコウモリが住み着いていて、対処しようがない状態になる…ということも考えられます。家でコウモリを見つけたらできるだけ早く対処することが重要になります。
家に出るコウモリの特徴と活動
コウモリの寿命をご紹介しましたが、まだまだコウモリについて気になること、知らないことはたくさんあるのではないでしょうか。
コウモリの生態についての知識は、家に住み着くコウモリを駆除する際にも役立ちます。
コウモリの特徴や、繁殖、冬眠などについて迫っていきましょう。
ここでは、家に積み着くコウモリのほとんどを占めるアブラコウモリに焦点を当てて紹介します。
アブラコウモリの特徴
日本でビルや一般住宅が多い場所に住み着くコウモリといえば、アブラコウモリです。このことから、アブラコウモリはイエコウモリとも呼ばれています。
コウモリの餌の対象は幅広いです。普段は昆虫を食べることが多いですが、野菜や果物を食べることもあります。
アブラコウモリはほかのコウモリと同じく夜行性で、昼はおとなしいですが夜になると活発になります。
飛ぶときは羽を広げているため大きく見えますが、体はわずか5㎝ほどしかなく、体重も10gほどの小柄な哺乳類です。その小ささを活かして、コウモリはほんの数㎝の壁の隙間からでも家に侵入します。そして雨や風をしのげる安全な場所だと分かると、住処として住み着くようになります。屋根裏や軒下などの、狭くて暗い場所を好みます。
コウモリの繁殖期は夏
アブラコウモリは春から夏にかけて繁殖します。餌となる昆虫が増えてくる春・夏は、栄養を蓄え、子供を育てるのに最適な時期なのです。
アブラコウモリのメスは、冬眠を終えた春から繁殖の準備にとりかかります。秋の交尾のころから蓄えられていたオスの精子で受精し、4月になると妊娠します。
7,8月の時期になると、赤ちゃんが生まれ、子育てが始まります。コウモリは哺乳類の一種なので、卵としてではなく、人間と同じように赤ちゃんとして生まれます。
このように、コウモリの冬眠と繁殖のサイクルは季節とともに廻っています。つまり、コウモリは年に1度子供を産むことになります。
1度の出産で生まれる赤ちゃんは2,3匹と少数ですが、コウモリは何年も生きるため、気づいたら大量のコウモリが住み着いていた、ということもよくあります。また、赤ちゃんは1か月~1か月半で立派なコウモリになるので、繁殖は早いといえます。
コウモリの冬眠
昆虫がおらず餌がほとんどない冬は、コウモリも冬眠する時期です。
コウモリ10月前後に交尾をすると、冬眠の準備をはじめます。11月ごろから春先にかけての約5か月間を冬眠で過ごすということです。
冬眠中のコウモリは、食べることも動くこともほとんどありません。雨風と寒さから逃れられる場所に引きこもり、体力を温存しながらひたすら春を待ちます。
しかし冬でも気温が高い場合などは、冬眠から目が覚めて活動することもあるようです。
コウモリの駆除にぴったりの時期と避けたい時期
コウモリが家の屋根裏や軒下に住み着いてしまったとき、糞害などを考えればすぐに駆除すべきです。とはいっても、駆除をするのは何時でもいいというわけではありません。
コウモリを完璧に追い出したいときは、時期を選んで駆除することがポイントとなります。おすすめの時期とできるだけ避けたい時期を説確認しましょう。
駆除は「春」が最適!
一番駆除が成功しやすいのは春です。
コウモリが活発化していて、赤ちゃんもいない時期ならば、コウモリの数も少ないので、全てのコウモリを追い出しやすくなります。
春は妊娠をはじめている時期なので、赤ちゃんが生まれる前の4~6月頃の間に追い出してしまいましょう。
繁殖時期と冬眠時期は駆除がうまくいかないかも
繁殖時期である夏も、できれば避けたいタイミングです。まだ子供が生まれていないようであれば問題ありませんが、もしも子供が生まれてしまっていると、その子供を追い出すことが困難になります。赤ちゃんはまだ自力で飛ぶことができないので、いくら忌避しても逃げようがないのです。
また、母親コウモリを追い出すことができた場合、餌を与えられず動くこともできない子供コウモリは結果的に死んでしまうでしょう。生きたコウモリがいないという点ではよいかもしれませんが、死んでしまったコウモリから悪臭が放たれ、カビや病原菌などが大量に繁殖する危険性大です。
コウモリが静かな冬眠時期は駆除に最適だと思われるかもしれませんが、逆に、追い出そうとしても出て行ってくれないことが多いです。燻煙タイプの忌避剤を使っても眠っているコウモリは反応せず効果が全く現れないこともあるようです。
コウモリ駆除は業者に任せよう
コウモリは鳥獣保護法という法律で保護されている動物だということをご存知でしょうか?これを知らずに自分で駆除すると、大変なことになるかもしれません。
鳥獣保護法で守られた動物は、危害を加えてはいけない決まりになっています。つまり、コウモリにケガをさせたり、致死させてしまうと法律違反となってしまうのです。自分で対処する場合にも、傷つけず「追い出す」だけの対処で何とかしなければなりません。
業者であれば、鳥獣保護法にのっとった安全な方法で、より確実にコウモリを追い出してくれます。コウモリの種類を特定したうえで駆除をおこなうので、住み着くコウモリに適した方法で効果的に追い出すことができます。さらに、住処となっていた場所を掃除して糞を除去してくれたり、侵入口を塞いでくれたりというように、単に駆除するだけでなく、そのほかに必要なサービスもお願いすることができるので、自分で対処しようとするより何倍も安心です。
病原菌や糞害などの点を見ても、自力で駆除しようとすることは大変危険です。コウモリに困ったら、まずは業者に相談することからはじめてみましょう。
まとめ
コウモリは小さい割に寿命は3~5年と長生きする生物です。オスよりもメスの方が長生きするのも特徴です。
コウモリは高寿命なうえ繁殖力も非常に強いので、家に住み着かれた場合、放置すればするほど駆除が困難になります。
哺乳類の一種であるコウモリは、冬眠と繁殖という1年のサイクルで活動します。家からコウモリを追い出す際には、この活動サイクルを上手に利用することが大切です。赤ちゃんが生まれておらず、冬眠で休んでもいない時期、つまり春が一番追い出しやすいタイミングですので、駆除の際には参考にしてみてください。
コウモリは鳥獣保護法で守られた動物なので、むやみに傷つけたり致死させたりすることができません。安全に追い出したいときは、業者に相談して、駆除のプロの手で適切に対処してもらいましょう。