家の中にコウモリが入ってきてしまった場合、一刻も早く追い出したいですよね。コウモリを追い出す際に、「磁石」を用いる方法があると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、「本当に磁石でコウモリを追い出すことはできるの?」と疑問に感じている方も多いでしょう。
そこで今回は、コウモリ駆除に磁石は効くのか、詳しく解説していきたいと思います。また、磁石以外でコウモリを追い出す方法や、コウモリを追い出したあとの注意点などについてもご説明しますので、参考にしてみてください。
コウモリってどんな生き物?
コウモリを追い出すためには、まずはコウモリの生態について知識をつけなければなりません。この章では、コウモリの基礎知識についてご説明いたします。
日本で一番多いコウモリは「アブラコウモリ」
コウモリにもさまざまな種類がありますが、日本では「アブラコウモリ」と呼ばれるコウモリが一番多く生息しています。
このアブラコウモリは、暖かな場所を好んで生息しています。結果的に雨風を防ぐことができ、温度が比較的一定な天井裏など家の中に忍び込んでしまうのです。
また、アブラコウモリの繁殖力にも注意が必要です。アブラコウモリはなんと、1度に3匹のコウモリを出産します。
そのため、気づいたら屋根裏がコウモリだらけなんてこともあるかもしれません。そんなことになる前にも、コウモリを屋根裏からしっかりと追い出しましょう。
野性鳥獣保護法により、資格がないと駆除できない
コウモリは「鳥獣保護法」で保護されているため、資格がある人しか駆除することはできません。つまり、自分で追い出すことはできても、殺したり傷つけたりすることはできないのです。
また、鳥獣保護法によって、コウモリを捕獲することもできません。そのため、捕まえて追い出すということもできないのです。
もし、捕まえたり傷つけたりした場合は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられてしまいますので、気をつけましょう。
コウモリが人に与えるフン被害
では、コウモリが屋根裏などの家の中にいる場合は、具体的にどんな被害があるのでしょうか?この章では、コウモリが人に与える被害について詳しく解説していきます。
コウモリのフンには病原菌がいっぱい!
じつは、コウモリは家にいるととても危険な生物なのです。特に気をつけなければならないのが、コウモリの「フン」。
コウモリのフンには、たくさんの病原菌が含まれているのです。「コウモリは屋根裏にいるだけだし大丈夫!」という方もいるかもしれません。しかし、その考えはとても危険です。
日本で多くみられるアブラコウモリは身体が小さいため、知らず知らずのうちに室外機やエアコンダクトに入り込んでしまうこともあるのです。そこでコウモリがフンをしてしまうと、乾燥したフンが空気中を舞って、体の中に入ってしまう場合もあります。
コウモリが家の中に入ってきていないからといって油断はせず、正しい対処を心がけましょう。
コウモリのフンによって起きる病気
コウモリのフンを体内に取り入れてしまうと、アレルギーを発症してしまったり、感染症を引き起こしてしまったりします。子どもはそういった病原菌の影響を受けやすいので、お子様がいるご家庭では特に注意しましょう。
ペットを介してコウモリの寄生虫が侵入するケースも!
また、ペットを飼っている方も注意しなければなりません。犬や猫はコウモリに触れた場合、ノミやダニが身体についてしまいます。
大切なペットにコウモリのノミやダニが寄生してしまうことを考えると、とてもおそろしいですよね。
また、おそろしいのはそれだけではありません。ペットを介して人間の身体の中にもノミやダニなどの寄生虫が入ってきてしまう危険もあるのです。
コウモリは磁石で追い出せるの?
ここまで、コウモリの被害についてご説明してきました。コウモリが家の中にいると、とても危険な生物だということはご理解いただけたと思います。
もしそんな危険なコウモリが家の中に侵入してしまったら、早めに追い出しましょう。そこで、自分たちで可能なコウモリの追い出し方を調べた方もいらっしゃるかと思います。そのとき、もしかしたら「コウモリを追い出すには磁石が有効」と目にした人もいるのではないですか?
しかしながら、この磁石を用いる方法、あまり効果を期待できないかもしれません。日本に生息しているアブラコウモリには視力がほとんどなく、自分が発した超音波の反響によって障害物や餌を認識しています。磁石によってコウモリの超音波が狂ってしまうことでコウモリが逃げていくという仕組みのようですが、科学的な根拠があるわけではありません。
そもそも超音波と磁力は全くの無関係なので、効果が期待できると断言できるわけではないようです。
しかし、科学的根拠はなくてもコウモリ対策に磁石が聞いたという事例もありますので、試してみてもいいかもしれません。しかしもし確実にコウモリを追い払いたいのであれば、ほかの方法で追い払うことをオススメします。
磁石以外でコウモリを追い出すのに効果的な4つの方法
先ほどもご説明しましたが、コウモリは「鳥獣保護法」で保護されていますので、捕まえたり、傷つけたりすることはできません。
そのため、自分で退治するためには、「追い払う」という方法を取らなければなりません。しかし、コウモリを追い払うのは、じつはとっても大変。
「コウモリを追い払おうとしても、コウモリがまた家の中に入ってきてしまう……」という方も少なくないはず。
そこでこの章では、コウモリを追い払うことに効果的な方法を4つご説明します。ご家庭にあるもので簡単にできる方法もご紹介しますので、自分に合った方法をぜひ試してみてください。
蚊取り線香を焚く
「蚊取り線香」を使ってコウモリを追い払う方法があります。コウモリは嗅覚が優れているので、蚊取り線香の強いにおいでコウモリを追い出すことを期待できるでしょう。まずは家にあるものを使って退治したい!という場合にオススメの方法です。
超音波を利用する
さきほどもご紹介しましたが、コウモリは「超音波」を出しながら飛行する生物です。コウモリを追い出す方法として、この性質を利用した装置があります。
それは、「コウモリ駆除超音波発生装置」というもの。この装置を使って超音波を出すことで、コウモリが出す超音波を狂わせることができます。
ただし、「コウモリ駆除超音波装置」で超音波を長期間出し続けると、コウモリが慣れてきてしまうおそれもあるので、注意が必要です。また、ほかの駆除方法に比べて費用がかかってしまうことも頭に入れておかなければなりません。
ただ、一時的には効果がありますので、「今すぐコウモリを何とかしたい!」という方は試してみてもいいかもしれません。
光の反射を使う
光の反射を利用してコウモリを追い払うという方法もあります。コウモリは夜行性なので、普段は暗いところで生活しています。そのため、光にはとても弱い生き物です。
光の反射を利用してコウモリを追い払う際は、「CD」や「アルミホイル」などを使ってみましょう。
コウモリがよく出現する場所にCDを吊るしておいたり、アルミホイルで光が反射するように工夫したりすることで、コウモリを退治できるかもしれません。
こちらも比較的簡単に用意することができるので、「まずはお手軽にできるもので試してみたい」という方にオススメの方法です。
発煙駆除剤であぶり出す
コウモリを退治する方法として、「発煙駆除剤」であぶり出す方法もあります。ゴキブリの駆除に使う燻煙剤を想像すれば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。
発煙駆除剤は、先ほどご説明した蚊取り線香と同じような原理でコウモリを追い出すことができます。
発煙駆除剤は、ホームセンターやドラッグストアなどで手に入れることができるので、比較的試しやすい方法といえるのではないでしょうか。
コウモリを追い出したらフンもしっかり片付けよう!
コウモリを追い出したら、フンをしっかり片付けるようにしましょう。先ほどもご説明したように、コウモリのフンはとても危険です。この章では、コウモリのフンの片付けかたについて解説します。
コウモリのフンを片付ける際には、「マスク」「防止」「手袋」などで全身を覆うことで、フンを吸い込まないようにしてください。
また、コウモリのフンを片付ける際には、汚れてもよい服装でいきましょう。できれば、コウモリの駆除の際に着ていた服は捨ててしまうことをオススメします。
コウモリのフン被害に遭わないためにも、服装は徹底して臨みましょう。
万が一コウモリのフンを触ってしまったらよく手を洗って消毒液を塗ってください。もしも熱が出たり体調が悪くなったりしたら、できるだけ早く病院に行きましょう。
また、コウモリのフンを片付けたあとには、しっかりとアルコールなどで消毒するようにしてくださいね。
コウモリを二度と寄せ付けないようにするには
「コウモリがまた家に住みついてしまった」なんてことにならないように、コウモリの侵入口をふさいでおく必要があります。
コウモリの侵入口は、目の細かい金網や、シーリング材を使ったりしてふさぎましょう。コウモリは小さな穴でも侵入が可能なので、見落とすことなくしっかりとふさいでおくことがポイントです。
また、侵入口をふさいだあと忌避剤を利用したりすると、よりコウモリが入ってくることを防止することができます。
確実に駆除をしたいなら専門の業者に依頼!
どうしても自分で対処できないという方や、プロに任せたほうが安心という方は、業者に依頼する方法をオススメします。業者に依頼することで、手間がかかりませんし、より確実に退治してもらうことができますよね。
しかし、業者に駆除を依頼したことがない方は、どの業者に依頼したらいいのかわからないかもしれません。そこでこの章では、よりよい業者に出会うためのコツについてご説明していきます。
賢い業者の選び方
業者を選ぶ際は、まずは電話をしたときなどに、「相談にしっかり乗ってくれるかどうか」を確認しましょう。
相談にしっかりと乗ってくれる業者は、しっかりとサポートしてくれる可能性が高いことは想像できるかと思います。また、親切で丁寧な対応をしている業者は、こちらも安心して任せることができますよね。
施工時にもコウモリの駆除だけではなく、フンの処理や消毒までしっかりとおこなってくれる業者かどうかの確認も大切でしょう。
たとえコウモリを駆除できても、フンが残っていたらとても危険です。そのため、コウモリの駆除だけではなく、後処理についても電話などで聞いてみましょう。
口コミサイトを確認してみる
よりよい業者に出会うためには、口コミサイトを確認する方法もあります。口コミサイトは、その業者を利用した方の生の声をみることができます。
口コミ情報をすべて鵜呑みにしてしまうのはオススメできませんが、あまりにも悪い評判ばかりの業者は依頼をしないことが賢明です。いくつか施工を依頼する業者が絞れたら、参考程度に確認してみるとよいでしょう。
迷ったら相見積もりがオススメ
業者を決めかねている方は、相見積もりを取ることをオススメします。相見積もりをすることによって、複数の業者の料金を比較することができます。
複数の業者の料金を比較することで、大体の費用の相場を把握することができます。結果的に不当に高額な請求をしてくる業者を避けることができるでしょう。
相見積もりを取る際は、総額だけではなく細かな内訳まで確認しましょう。そして、わからないことがあった場合には、業者の方に質問しましょう。
疑問点をなくすことで、業者に納得したうえでコウモリ駆除を依頼すれば、自分の理想通りの施工を期待できます。
まとめ
今回はコウモリを追い払う際に必要な基礎知識や、コウモリが家の中に入ってきてしまった場合の対処法などについてご説明してきました。
「コウモリは磁石で退治できる」と聞いたことがある方も多いかもしれませんが、科学的な根拠はありません。「家に住み着いたコウモリを今すぐどうにかしたい!」という人は、ほかの方法を検討しましょう。
コウモリを退治するためには、「煙」「光」「超音波」などを利用して正しく駆除するようにしましょう。
コウモリを退治したあとは、フンを片付けることも忘れてはなりません。コウモリのフンには病原菌がたくさん含まれており、とても危険です。コウモリを駆除するだけではなく、フンまで片付けて消毒しておくようにしましょう。
また、自分でコウモリの退治ができない場合には、業者に依頼する方法もあります。コウモリは、病原菌や寄生虫がいて危険ですので、自分での退治が厳しい場合には業者を上手く利用しましょう。