コウモリは人間の近くに住むことが多く、地域によっては日常的に目にする動物。外で見るだけであれば、とくに害もないし気にすることも少ないでしょう。
しかし、コウモリがご自宅に住み着いたとなると話は違います。コウモリは家に住み着くことで人間に被害を与えます。そして、その被害によって病気に感染してしまうこともあるのです。
コウモリからの被害を防ぐためには、コウモリの活動時期や生態を正しく知り、対策・対処をおこなうことが大切です。今回の記事はコウモリの活動する時間や繁殖する時期、コウモリを寄せ付けないための対策についてお伝えしていきます。
コウモリの活動時期とは?生態について確認してみよう
コウモリには活発に活動する時期や時間もあれば、動かなくなる時間もあります。コウモリの活動時期や生活サイクルを知ることでトラブルにあった際の適切な対処方法に活かすことができます。まずは、コウモリの活動時期や生態について紹介していきましょう。
活動時期、繁殖時期はいつ?
私たちが日常的に目にするコウモリは「アブラコウモリ」と呼ばれます。アブラコウモリは「イエコウモリ」とも呼ばれ、名前の通り人間の家に住み着くこともあるコウモリです。
コウモリは夜行性で夕方から活動を開始します。コウモリをモチーフにしたキャラクターに「バンパイア」がいますが、バンパイアもコウモリの生態どおり夜に活動する夜行性です。
コウモリが活発に活動する季節は春~秋。冬は冬眠します。しかし、コウモリは冬眠中でも気温によっては冬眠から目覚め活動することもあるそうです。
東京の新港南橋でおこなわれたコウモリの定点観測調査では、真冬の1月~2月の気温でもコウモリが活動していたという記録があります。この新港南橋での調査からも、コウモリは冬眠中でも活動することがあるということがわかります。
一方、コウモリの繁殖時期は夏です。夏はコウモリが主食とするユスリカなどの昆虫や蚊、ハエが増えるので、出産に必要なエネルギーも取りやすくなります。コウモリは出産時に約1~3匹の子供を産みます。
コウモリとはどんな生態の生き物?
コウモリの身体は褐色の黒で体調は約5センチ、スズメよりも小さいサイズです。哺乳類で唯一空を飛ぶことができます。山が多い地域よりも平野部を好み、人間の住んでいる場所に近い環境を好みます。とくに光の当たらない天井裏や東京のようなビル群を住みかにすることが多いそうです。
コウモリの主食は先ほども少し触れましたが蚊やハエ、ユスリカなどの昆虫。一方でゴキブリなど、人間にとって有益な昆虫を食べることもあることからコウモリを「益獣」とすることもあるそうです。
コウモリ駆除にも時期は関係ある?
コウモリの駆除には最適な時期があります。この時期を逃してしまうとコウモリは繁殖して数を増やすことや、冬眠中で動かず駆除ができないこともあります。
最適な時期は繁殖前
コウモリの駆除に最もよい時期は春です。春はコウモリが冬眠から覚めたタイミングで、繁殖をする前の時期に当たります。
コウモリに子供ができてしまうと駆除をするのが難しくなってしまうので、駆除はコウモリが繁殖行為をおこなう前にするのが一番よいのです。春を逃してしまった場合には、コウモリが冬眠する前の秋がよいでしょう。
それ以外の時期に駆除しても無意味?
冬眠から目覚め活動を開始したコウモリは、夏に子供を産み繁殖をします。コウモリが子供を産むと駆除は難しくなってしまいます。コウモリの子供は飛ぶことができないからです。飛ぶことができない子供がいると巣から追い出すことができません。
また、コウモリが冬眠している間も同様です。冬眠中、コウモリは動きませんから、駆除をしても効果が薄いといえます。
コウモリの駆除はコウモリの活動時期が大きく関係しています。時期を見極めて適切な処理をおこなうようにしましょう。
コウモリが気になったら…。寄せ付けないようにしよう
コウモリは一軒家だけでなく、マンションのベランダや天井にも巣を作ります。コウモリは家やマンションの建物と屋根の小さな隙間から入り込み巣を作ります。そして、コウモリが住み着くと人間にも恐ろしい被害があるのです。
コウモリによる恐ろしい被害とは
コウモリは観察をしていて噛まれるような直接的な被害はありません。問題はコウモリによる間接的な被害です。
間接的な被害とはコウモリの糞による被害です。コウモリの糞はすごい臭いを発し、ひどい場合には天井から漏れ出てくることもあります。また、糞から空気を伝って人間が感染症にかかることもあります。
また、ペットがコウモリの糞をあやまって食べてしまい、感染症にかかることもあります。そのうえ、ペットから人間に感染するケースもあります。もし、ご自宅にコウモリが住み着いていると感じたらペットの行動にも注意し、除菌スプレーなどでしっかりと除菌をするように心がけてください。
また、コウモリが住み着くことでダニやノミが大量に発生することもあるそうです。
寄せ付けないための対策
こうしたコウモリの被害を受けないためには、まずコウモリを家に寄せ付けないことが大切です。コウモリを家に寄せ付けないためには、コウモリが発している超音波を妨害するCDやアルミホイルを吊り下げるのが効果的です。
コウモリは超音波を使って自分の場所や周りの環境を把握しています。コウモリはほとんど目が見えないので、超音波を妨害することでその場所を嫌がり、寄ってくることも少なくなります。
しかし、この方法は見栄えがよくないので屋根裏や天井など人目に付かない場所での使用をオススメします。
またコウモリが嫌がる臭いを使った対策もあります。市販の虫よけスプレーや蚊取り線香、ハッカ油の匂いもコウモリは嫌がります。こうしたものを対策として用いるのもよいでしょう。使う時間はコウモリの活動時期に合わせ、巣にいる昼間の時間帯を狙うようにしてください。
もし侵入してきたら?自分で駆除は厳禁です
もしコウモリが家に入ってきたときには、羽音による騒音や見た目の気持ち悪さ、さらに糞による被害を防ぐために一刻も早く家の外に追い出したいと思うことでしょう。
しかし、コウモリは鳥獣保護管理法で守られている動物です。許可なく捕獲や傷つけることはできません。自分で駆除はおこなわずに、危害を加えず家の外に追い出すことを考えましょう。
家のなかにうっかり入ってきた場合
コウモリは家の換気扇や窓、ドアの隙間から侵入してきます。もしコウモリが家のなかに入ってきたときに直接触ることはNGです。野生動物全般にも当てはまることですが、コウモリはとても不衛生なので、触ってしまうと病気に感染するおそれもあります。
家のなかにコウモリがうっかり入ってきた場合には窓を開け、自然に出ていくのを待ちましょう。もしくはコウモリの嫌いな虫よけスプレーなどを周りに散布するのも効果的です。
明らかに住み着いている気配がしたらプロにおまかせ
一方で、コウモリがご自宅明らかに住み着いている場合には、コウモリ駆除の専門業者に依頼をしたほうがよいでしょう。コウモリは繁殖力も強く、増えだすと数十匹になる可能性もあります。またご自身での駆除は感染症にかかる危険もあります。
専門業者はコウモリの活動時期や生態も熟知しています。ご自宅の状況に合わせた適切な処理をしてくれますよ。
コウモリ駆除を専門業者に依頼するときには、事前に無料で見積りを出してくれる業者を選ぶのがよいでしょう。追加料金が発生しないかも作業前に確認しておくほうが安心です。
また、駆除の依頼をしたさいにしっかりと相談に乗ってくれる業者がよいでしょう。ご自身の状況を親身になって聞いてくれ、状況に必要な作業のみおこなってくれる業者を選びましょう。
まとめ
コウモリは噛みついたりすることはありませんが、家に住み着くことで人間に大きな被害を与えることがあります。こうしたコウモリによる被害を防ぐために、コウモリの活動時期や生態を知ることはとても役に立つでしょう。
コウモリによる被害には感染症などの恐ろしいものもあります。もしご自宅にコウモリが住み着いていると感じたときは、コウモリ駆除の専門業者への依頼を検討してみてください。
コウモリは観察するだけなら害はありませんが、場合によっては人間にとって有害なものになります。そうなる前に早めの対策・対処をおこなうようにしてください。