日本の各地に生息し、住宅や人の健康に被害を与えるコウモリ。住宅の屋根材の隙間、換気扇など様々な箇所から侵入し棲みついてしまいます。侵入させないための予防方法・寄せ付けないための事前対策を知り、実行すれば被害の発生減少に繋がります。では、どのような予防法・対策を施せば効果があるのでしょうか。具体的な方法をご紹介いたしますので、参考にしていただければと思います。
まずは住宅内を入念にチェック!
住宅内にコウモリが棲みついているか・いないか、まずは入念に調査することが大事です。すでにコウモリが侵入していることに気づかず、防除対策をしてしまった場合、住宅内にコウモリを閉じ込めることになります。また、コウモリの出入り口を見落とすことも考えられます。そのまま、繁殖してしまう恐れもありますし、死んだとしても死骸を放置することになり害虫発生、衛生環境を悪化させるという取り返しのつかない状況に陥るかもしれません。住宅内のどこを調査すべきか、下記の図をご覧ください。
コウモリ棲息箇所チェックリスト
調査を行ってくれる業者
コウモリの駆除を行っている業者には、駆除時の事前調査はもちろんですが、予防法や対策をアドバイス・施工してくれるところもあります。建築設計や住宅診断などで頼りになる一級建築士が対応している場合もあります。コウモリの駆除業者や住宅の構造自体に詳しい業者は、知識や経験が豊富な分、住宅検査・分析・施工技術もしっかりしています。自分では気づかないような場所も、調査してもらえるので、より的確な対策や予防処理ができるでしょう。また、近所でコウモリの目撃情報や前兆がある・コウモリを寄せ付けないための環境整備をしたいという相談に応えてくれます。
すでにコウモリが棲みついていた時の対処法は?
捕獲?追い出す?
すでにコウモリが部屋などへ侵入して棲みついているのを発見した場合、対処として、捕まえるのか、部屋の外へ追い出すのか悩むところでしょう。コウモリの体表面には害虫や病原菌が付着している可能性がありますので、近づかないことが望ましいです。また、素早い動きで飛び回るため、虫取り網での捕まえ方は狭い場所では難しいですし、粘着シートは処理が大変です。捕まえる方法よりも部屋の外へ逃がす方法を実行したほうが得策と言えるでしょう。
追い出す時の注意点
コウモリを追い出す時は、手袋・マスクを着用し、音で脅かす・コウモリが嫌うスプレーを吹き付けるなどして様子を見ましょう。コウモリが動かない場合には、長い棒などを使って外へと逃げていくようにします。そして、コウモリが出ていく場所をよく確認しておかなければなりません。出ていった場所が侵入穴であり、進入経路を特定することにも繋がります。
根本的な解決策は?
コウモリを追い出した後は、再び住宅、部屋に侵入してくるのを防止するために対策をしなければなりません。コウモリが侵入してこれないように、住宅の環境などを改善しなければ解決したとは言えないからです。そのため、コウモリが出入りしていた場所の穴塞ぎをして侵入対策する必要があります。
コウモリに侵入されないための対策
コウモリを追い出した後の被害再発を防ぐために、そして予防・調査の結果棲みついていなかった場合に、侵入口を塞いでコウモリ対策をしましょう。住宅の場所ごとに、侵入口塞ぎの事例を見ていきましょう。
屋根裏
コウモリは屋根材の破損箇所、屋根と外壁の間にできた隙間などから侵入してきます。劣化が酷い、強い台風の後などは屋根材などに破損箇所がないか点検しましょう。破損があれば、補修することで自然と侵入口を塞ぐことができます。軒下にネットを張るのも効果的です。
窓シャッター上部
窓シャッターは頻繁に開閉するように意識しましょう。できるだけ、音を立てながら開閉することでコウモリにとって安全な場所ではないと認識させるのです。また、シャッターボックスには隙間がありますので、開閉の妨げにならない程度に塞ぐ必要があります。
外壁の隙間
外壁に隙間がある場合、補修することで侵入口を塞ぐことになります。
侵入防止用パテで隙間を埋めることができます。侵入口付近は広く補修するといいでしょう。
通風口
通風口は、完全に塞ぐと換気としての役割を果たせなくなります。そのため、亀甲金網を張ってコウモリの侵入を防ぎます。ほとんどの通風口は、既存のカバーがあると思いますが、その隙間から侵入することが可能ですので、細かい網目をしたもので塞ぎます。
まとめ
とても柔らかい体をし、飛行することができるコウモリは、わずかな隙間を侵入経路にして住宅内に棲みつきます。そのため、調査や予防・対策にはコウモリに関する知識が重要となります。また、狭いベランダでの対策や屋根・外壁など高所での予防・対策作業は経験がないと難しい部分もあります。自分の時間と労力を最小限に抑えて、コウモリ被害の予防・事前対策をするには、知識と経験がある業者を頼るといいでしょう。