アブラコウモリを見かけたら、家に被害が及ぶ前に対策をしましょう。日本でよく見かけるコウモリはアブラコウモリであることが多く、このアブラコウモリは家に住み着いてしまうことがあります。
アブラコウモリが家に住み着くと、フン被害によってさまざまな影響が出てしまうおそれがありますので、侵入されないように対策をしておきましょう。
この記事では、日本に生息するコウモリの種類や生態や、アブラコウモリによる被害についてご紹介します。また、コウモリが家に入り込まないための対策や、突然家に入り込んでしまったときの対処法についてもお教えしますのでぜひ参考にしてみてください。
日本に生息するコウモリの種類
コウモリは全世界に980種類以上確認されています。日本に生息する哺乳類は100種類以上といわれ、コウモリはその中でも35種生息しているといわれています。では、私たちがよく見かけるコウモリはどのような種類なのでしょうか。日本に生息するコウモリの種類について少しご紹介していきます。
【種類1】アブラコウモリ
アブラコウモリは、日本だと本州~九州・琉球列島などに分布しており、建物の中や洞窟に住み着きます。見た目は非常に小さく、蛾(ガ)やハエなどを捕食します。夕方になると公園や河川などにエサを求めてやってくるため、よく見かける人もいるかもしれません。
【種類2】オオコウモリ
オオコウモリは、クビワオオコウモリとオガサワラオオコウモリの2種類が存在し、どちらも植物食です。
・クビワオオコウモリ
クビワオオコウモリは南西諸島に分布しており、いくつかの亜種に分かれています。体長は19~25cmほどあり、体毛が長くて頸部に首輪状の淡色斑があります。
・オガサワラオオコウモリ
オガサワラオオコウモリは、小笠原諸島に分布しています。絶滅危惧種として保護されており、体長は大きい個体だと25cmほどあります。体の色は暗褐色です。
【種類3】ウサギコウモリ
ウサギコウモリは、日本だと北海道・中部地方以外の本州や四国に分布しています。森林や洞窟に住み着き、集団でコロニーを形成します。見た目はウサギのような長い耳があり、大きさは4cmほどあります。蛾をとくに好んで食べる食虫性です。
【種類4】ヤマコウモリ
ヤマコウモリは、日本だと北海道~沖縄まで分布しています。日本の食虫コウモリの中で最も大型であるといわれています。昼間は樹洞で休息しており、日没後に一晩中飛び回って昆虫を採餌します。
家に住み着くアブラコウモリの被害に要注意!
日本に生息するコウモリの中でもよく見かけるアブラコウモリは、家に住み着きあらゆる被害をもたらします。アブラコウモリは体が小さく、わずかな隙間さえあれば簡単に侵入されてしまうのです。
アブラコウモリによる主な被害は、フン害です。アブラコウモリのフンには病原菌が含まれていますので、健康に影響をもたらしてしまうことがあります。また、フン尿により建物に影響が出ると、ダニなどが発生する原因にもなり、アレルギーを引き起こしてしまうこともあるので注意しなければいけません。
アブラコウモリのフンはねずみのフンと似ているため間違えやすいですが、5~10mmほどの大きさでねずみのフンより黒っぽい色をしています。もし家の中にこのようなフンが落ちていたらコウモリが住み着いているおそれがありますので、調査を依頼してみましょう。
コウモリの侵入しやすい場所は塞いでおこう
コウモリに侵入されないようにするためには、侵入口となる部分をしっかり塞ぐ必要があります。コウモリが侵入しやすい3つの場所と侵入口を塞ぐ方法についてそれぞれご紹介しますので、心配な方はぜひ試してみてください。
【1】屋根や壁の隙間
屋根と壁に隙間があると、そこからコウモリが侵入してしまうことがあります。とくに瓦屋の屋根の場合、隙間ができやすく侵入されることが多いです。屋根裏は雨風を防ぐことができ、コウモリが好む暖かい環境も整っているため、侵入されれば巣を作ってしまうこともあります。
また、コウモリは屋根以外にも壁のひびや小さな隙間にも入り込み、巣を作ります。小さな隙間にいれば、敵から狙われるリスクも低くなるため、わずかな隙間でさえも入り込んでしまうのです。
屋根と壁の間の隙間は、シーリング材を使えば埋めることができます。シーリング材にはいくつか種類がありますので、用途にあわせて選ぶようにしましょう。
【2】通気口・換気口
通気口や換気口の入り口部分のカバーが外れていたり、破損していたりするとそこからコウモリが侵入してしまうことがあります。コウモリのフンがその中に入ってしまいますと、粒子が部屋に広がってしまうことがありますので、定期的に異常がないか確認してみましょう。
通気口や換気口など、空気を通さなければいけない部分の対策は、金網がオススメです。なるべく網目が小さなもの、ハサミで切れやすいものを選ぶようにしましょう。
【3】エアコンの配管
エアコンを設置していると、配管周りに隙間があることがあります。わずかな隙間でもコウモリは侵入することができますので、心配な場合はパテで隙間を埋めましょう。パテを購入するときは、コウモリが苦手な成分が入っているものを選ぶとより効果的です。
コウモリが家に侵入したときの対処法
コウモリがいつのまにか侵入し、家の中を飛び回っている場合はどうしたらよいのでしょうか。もしそのようなことが起きたら、焦らず窓を開けて逃げ道を作ってあげましょう。
その際、コウモリを直接触ったり危害を与えたりしないようにしてください。コウモリは鳥獣保護管理法という法律に守られているので、勝手に触ったり駆除したりすることは許されていません。
もし、追い出すのが怖くて窓が開けられない、家の中に入れないということでしたら、プロの業者に依頼してみましょう。プロに依頼すれば、侵入口となる場所を探し出し、再び入ってこれないように塞いでくれます。
コウモリが家に住み着いたらどうすればよい?
コウモリがすでに屋根裏などに住み着いてしまっている場合や、スプレータイプの忌避剤や、くん煙タイプの忌避剤を使用して追い出しましょう。狭い範囲で使用する場合はスプレータイプ、広い範囲で使用する場合はくん煙タイプがオススメです。
コウモリを追い出すことができたら、ご紹介したような方法で侵入口を塞ぎ、フンの掃除をする必要があります。コウモリをどうしても追い出せないということでしたら、業者に依頼して駆除してもらいましょう。業者に依頼すると、フンの掃除や消毒もおこなってくれるため、すべて任せることができます。
まとめ
日本に生息するコウモリの種類は、35種ほどといわれています。中には滅多に見ることのない種類も存在しますが、私たちがよく見るコウモリはアブラコウモリであることが多いです。
しかし、私たちがよく見かけるアブラコウモリは、家に住み着いてしまうことがあります。家に住み着くことによって、フンによる健康被害や建物への被害が起こるおそれがありますので、しっかり対策をしておきましょう。
もし、コウモリが急に家に入り込んでしまったら、窓を開けて逃げるのを待ってみてください。コウモリは鳥獣保護管理法により、危害を与えたり、駆除したりすることはできないので注意しましょう。
もし、すでにコウモリに住み着かれてしまった、家に急に入り込んでどうしようもないというときは、プロに連絡してみるとよいでしょう。