コウモリの駆除にネズミ用のくん煙剤が効く、と聞いたことがありませんか?ご自身で手軽にできる対策としては確かに有効なようです。しかし、くん煙剤を焚いただけではまた戻ってきてしまうこともあり、使用後の対策などポイントがあるようです。
また、入手も使用も手軽なくん煙剤での駆除。逆に業者に依頼するメリットって何?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。やはりプロはただコウモリを追い出して終わりではないのです。
業者の駆除ならではの良さについてもお教えしたいと思います。
コウモリを追い出すことは可能!しかし効果は短期間…
そもそもコウモリの駆除になぜまったく種類の違うネズミ用のくん煙剤が効くと言われているのでしょうか。その秘密はコウモリが嫌う「臭い」に関係しています。コウモリはハッカの臭いを嫌うようで、コウモリ専用の駆除剤の多くにもハッカ油が使用されています。それと同じようにネズミ用のくん煙剤にもハッカ油や天然ハーブが使用されているため効果があるとされているのです。
コウモリは天井裏にぶら下がっていたり、家屋の隙間に潜んでいることが多いので、コウモリ専用のジェルやスプレーなど局所的にしか狙えないものより、水を使って成分を隙間に至るまで一気に拡散させられネズミ用くん煙剤の方がより高い効果に期待が持てます。
ネズミ用くん煙剤を使用するとその臭いの成分でコウモリを追い出すことができるのですが、あくまで「追い出すだけ」の効果なので、臭いがなくなればまた戻ってくる可能性があります。
では、ネズミ用くん煙剤を使って効果的にコウモリ駆除をするにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
くん煙剤を使った後どうしたらいいの?
要はコウモリを追い出した後に戻って来られないようにしてしまえばいいわけです。コウモリを侵入させないようにするポイントは2つ。
1.侵入経路をしっかりと特定する
コウモリを自宅周辺で見かけることがあれば、どこから入り込んでいるか実際に観察してみましょう。もし飛び回っているのを見かけない場合は、よくフンが落ちている場所から推測して侵入口となっていそうな場所を探してみてください。侵入経路の出入り口として多いのは瓦の隙間、換気口、雨戸の隙間、家屋の劣化などによって生じた隙間などです。倉庫など人間の出入りが少ないような場所にも潜んでいます。
日本に多く生息しているアブラコウモリは2~3センチほどの大きさがあれば入り込めるといわれていて、侵入口はとても小さいので目を凝らして探してみてください。
2.くん煙剤で追い出した後に侵入口となった場所を補修する
侵入経路がわかったらそこを塞いで入れなくする作業が必要です。換気口などの場合は入口にネットを張ることで対策ができます。ホームセンターなどでご自宅の状況に合わせて必要な大きさのネットを買ってこれば、比較的簡単な作業で済ませることができます。
シャッターや雨戸の隙間に入り込まれている場合には、フンをきちんと清掃し頻繁に開閉するなど継続的な対策を地道にしていくことになります。
埋められる隙間は埋めて、コウモリ対策のジェルを塗布しておくなど寄せ付けないような工夫をするといいかもしれません。家屋の壁や瓦などの隙間から侵入されている場合にはその隙間を埋めなくてはなりません。小さな隙間が1か所くらいであればシーリング材などを購入してご自身での作業が可能な場合も。
しかしコウモリの侵入口ですから高所も多いでしょうし、家の補修なので専門的な作業を要する場合もあります。状況によっては家の補修などを行ってもらえる業者に依頼をした方が安全でしっかりと対策ができます。
ネズミ用くん煙剤の他に効果があるといわれているもの
ネズミ用くん煙剤やコウモリ対策用に販売されている商品ももちろんありますが、それ以外にも「そんなもので?」という意外な対策法があります。いずれも手軽に入手できるものばかりなので、試してみては?
強力磁石
コウモリは視力が弱いので、超音波を使ってエサや障害物など周辺の状況を探っています。コウモリが寄り付きそうな場所に強力磁石を置くことで超音波が乱され効果があるようです。100円ショップでも購入することができるので非常に手軽に試すことができます。
不要なCDなど光を反射するもの
CDやDVDなど光を反射するものを吊るす、という方法も。これは先に述べた磁石と同じような原理で、超音波を乱すためコウモリが寄り付かないようです。切ったアルミホイルなどを吊るしておいてもOK。
蚊取り線香
こちらはネズミ用のくん煙剤と似て煙を出すタイプの対策ですが、煙の量がかなり少ないので効果のある使い方は限られるかもしれません。
シャッターや雨戸などの近くで焚いておくような使い方や、ペットや赤ちゃんなどが家にいてネズミ用くん煙剤やコウモリ対策のジェルやスプレーを使うことに抵抗がある場合には良さそうです。
業者に駆除を依頼するメリット
くん煙剤を使えば簡単にコウモリを追い出せますし、手軽な対策もたくさんあるのですが、あえて業者に駆除を依頼するメリットとは一体どんなポイントなのでしょうか。やはり追い出すだけでなくその前後の作業に秘密があります。
- 現地調査で侵入経路の特定
- 駆除
- 清掃
- 消毒
- 侵入口を塞ぐ
ざっと書き出しただけでこれだけの作業を同じ業者がまとめて行ってくれます。もちろんコウモリに関する知識も豊富ですから、ご家族も気づいていなかった場所への侵入などもきちんと調べてもらえるので安心です。またコウモリのフンや唾液を介してウイルスに感染する恐れがあったり、ノミやダニが増えることで健康被害に遭うことも。
ダニは喘息などアレルギー症状を引き起こすこともあり、コウモリが潜んでいた場所はしっかりとキレイにしておく必要があるのです。
清掃や消毒に関しては場所がシャッターや通気口など範囲が小さければ直接触れないよう注意をしながらご自身でも出来るかもしれませんが、屋根裏などになってくると難しいでしょう。そのような場合にはぜひプロの力を借りてください。
まとめ
コウモリは気温の低くなる11月頃から3月頃まで冬眠をする動物です。冬眠中でも暖かい日などに時々活動することもあるようですが、出入りする姿やフンも見かけなくなり「巣を変えたのかな?」と思ったら屋根裏にびっしり潜んでいた、なんてことも。冬眠の時期はコウモリを追い出しにくくなるので、暖かさが残っていてコウモリが活動しているうちに対策をするのがおすすめです。
ご自身で駆除するうえので注意点としては、コウモリは害虫を食べるため「益獣」とされ鳥獣保護法により保護されています。ご自身で捕獲をしたり傷つけることは法律上禁止されているので、駆除をする際にはそのあたりにも気を付けて作業を行いましょう。