「コウモリがマンションに出た!どうやらすみついているらしい!」そんなときにはどうしたらよいのでしょうか。このページでは、コウモリ被害に気づいたときに慌てないで対処する方法を紹介しています。
落ち着いて正しく対処することで、余計な費用がかかることも回避できます。知らないとご近所トラブルや契約違反につながるおそれもあるので、特に注意が必要です。ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。
コウモリがマンションに!どうしたらいいの?
マンションで、コウモリを見かけたという方も多いです。実際にどう対処したらいいのか説明していきます。
駆除前に近隣や管理会社に確認することが大事
コウモリがマンションを出入りしているのを見かけたら、まずは管理会社や管理組合に報告します。これが最初に必ずやらなければならない大事なポイントになります。コウモリがマンションにすみつくと、一番困るのが糞害、そして糞に引き寄せられてゴキブリなどの害虫が集まってくるということでしょう。
無断で駆除をおこなった際、場所によっては不法侵入にふれることになり、近隣の方とのトラブルの原因となります。また、報告義務を怠ったということで費用を請求されるというケースもあるようです。敷地の境界線などを確認しながら業者に相談するのが一番の方法です。
慌ててしまって報告を忘れ、費用請求されてしまっては損をするばかりですので、落ち着いて対応しましょう。
コウモリが保護対象となっていることも知っておこう
「コウモリを駆除する」といっても、殺すことはできません。コウモリは日本の法律「鳥獣保護管理法」によって守られているのです。コウモリは蛾や蚊などの害虫を食べてくれるという益獣(えきじゅう)として、殺してはいけない動物とされているのです。
ですから、コウモリの正しい駆除方法は、「殺す」ではなく「追い出す」ということになります。コウモリを追い出すだけではなく、戻ってこないようにする工夫をしなければならないのです。
コウモリがマンションのどこに出たかで対応が違う
コウモリがマンションのどこに巣を作っているか、によって対応の仕方も変わってきます。境界線をこえると近隣の方との思わぬトラブルが発生するおそれもありますので、慎重に落ち着いて対処しましょう。
共有部分に出た場合
コウモリがマンションのエントランス、廊下、屋上などの共用部分に出た場合は、すぐに管理会社や管理組合などの管理責任者に報告します。非常階段などに住みついてしまった場合、糞害がどんどん広がる可能性があります。それにより汚臭が発生し、ゴキブリが集まってくるという悪いループができてしまいます。
ここで勝手に駆除してしまうと、報告する義務を怠ったという責任を負わされかねません。費用を請求される場合もあるので気をつけましょう。
専用部分に出た場合
マンションの専用部分、つまり所有権が個人にある場所(個人の家の中)に出た場合、勝手に侵入して駆除することはできません。まずは管理会社に相談し、住人にコウモリがすみついていることを伝え、対応してもらうのがベストです。それでも改善されない、住人が行動してくれなくて被害が大きくなっていくようであれば、地域の自治体に相談するといいでしょう。
コウモリが起こす被害
ここでは、コウモリがいることで起きてしまう問題をとりあげてみましょう。
寄生虫が生息している
コウモリは哺乳類です。完全な飛行ができるので鳥類と間違えられやすいですが、鳥類の翼とは構造が異なっています。赤ちゃんのコウモリを見たことがある人は、そのつぶらな瞳やふわふわの毛などを愛らしく感じたこともあるでしょう。
ですが、哺乳類動物にはダニやノミが身体に生息している可能性が高く、とても不衛生です。ペットの散歩で動物にコウモリの寄生虫が付着し、それを知らずにペットを触ってアレルギーが起きてしまうおそれもあるのです。
汚れや、糞害を引き起こす
コウモリの糞害は、悪臭だけではなく、壁に糞がついて汚れて美観を損なう、糞がゴキブリを引き寄せるといったことがあげられます。それだけではなく、コウモリの糞の中にはカビ菌が含まれています。カビ菌を吸いこむことでハウスダストのようなアレルギーを引き起こすおそれもあるので注意が必要です。
また、コウモリ由来のウィルスによる狂犬病の感染症が確認されていることもあり、コウモリの糞が人間の健康を脅かす原因になることがわかります。
洗濯物が干せなくなるかも
一例として、ベランダの室外機の隙間にコウモリが棲みついていたと考えましょう。コウモリは室外機の隙間に糞をし、乾燥したカビ菌が洗濯物に付着したりベランダに出た人間がその菌を吸いこんだりすることになります。こうなると、ベランダに洗濯物が干せなくなってしまいます。
羽音、鳴き声などの騒音
コウモリが頻繁に出入りするようになると、羽音や鳴き声などの騒音でストレスを感じることもあるでしょう。コウモリは夜行性なので夕方になると動き出し、昆虫などを捕食して巣に戻ります。
子供たちが帰宅する時間にコウモリがたくさん飛び回り、羽音や鳴き声で怖い思いをすることもあるでしょう。大量発生することがないように対策したいですね。
コウモリによってご近所トラブルまで……?
「コウモリがすみついていることをご近所さんに伝えたいけれど、差し出がましいような気がする」「伝えたけれどなんの対処もしてくれない」など、コウモリによってご近所さんと疎遠になり、ご近所さんの印象が悪くなるケースも考えられます。近所づきあいは些細なことから崩れる場合もあるので、ご近所さんへの配慮としても早めに駆除を考えましょう。
コウモリの追い払い方
コウモリをマンションで見かけたら、すぐに追い出すことを意識しましょう。ここではコウモリの追い払う方法をあげていきます。
忌避剤
コウモリはハッカのニオイが苦手なので、ハッカの成分を含んだ忌避剤を使用すると駆除効果があがります。ただし、大量に吹きかけるとコウモリが死んでしまうことがあるので、注意が必要です。
駆除煙
コウモリが蚊取り線香の煙でいなくなったという事例もあるようです。しかし、火を使うものですので取り扱いには注意が必要です。
超音波
コウモリは超音波を出しながら飛行するので、超音波を乱すことができればコウモリの駆除に効果が出ると考えられています。強力磁石、ラジオなどを使用し、超音波を狂わせるとよいといわれています。
追い払った後はネットで防止
コウモリを追い払った後は、十分に清掃を行い、ベランダにネットを張って再来を防ぎましょう。ネットは小さなコウモリが侵入できないような細かい網目のものを選びます。また、清掃に使った掃除道具の消毒も忘れずにおこなうようにしてください。
それでも被害が収まらないときは
素人がコウモリの駆除を完全に完了させることはかなり難しいことです。ここまでやってもコウモリが戻ってくるようなら、プロの手を借りることを考えましょう。駆除費用はもちろんかかりますが、自分でやるにしても忌避剤、消毒剤、掃除道具、などなど費用は結構かかるものです。それならば、いっそのこと最初から業者に頼むほうが時間も節約できます。
業者はコウモリ駆除のプロです。素人が駆除するよりも成功しやすく、何度も煩わされることもなくなるでしょう。毎年コウモリがやってきて費用をかけて追い払うくらいなら、一度で侵入経路を塞いでもらったほうが安くあがることになります。コウモリ駆除のプロに一度相談することをおすすめします。
まとめ
マンションにコウモリが出たときは、まず、管理会社に相談することを忘れないようにしましょう。このページではコウモリの糞害のおそろしさ、駆除の仕方、再来を防ぐ方法、近隣トラブルを回避する方法などを紹介しました。
特にマンションの専有部分にコウモリの巣をみつけたら、落ち着いて対処することが大切です。素人がコウモリ駆除するのはとても大変なことなので、業者に一度相談することをおすすめします。