建物のなかにいるコウモリを追い出したいなら、業者に依頼するのがオススメです。コウモリは、突然部屋のなかに入ってきたり、屋根裏や壁の内側に住みついたり、建物を休憩所(ナイトルースト)として利用したりすることがあります。もしも、わが家がコウモリにそのように使われたら、業者に依頼して駆除してもらうのが一番スムーズなトラブル解決方法です。
また、コウモリを傷つける行為は鳥獣保護法で禁じられているため、無理に捕獲や駆除をおこなえば法律に違反してしまうかもしれません。鳥獣保護法に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑罰が科されるのです。このような点からも、やはりコウモリ駆除は業者に依頼するほうが安心でしょう。
コウモリの対策について、このコラムでは自分でできる対策の方法と、業者への依頼の方法の両方をご紹介しています。法に触れずにコウモリを自分で追い出す方法か、業者への依頼のどちらがご自分にとってよりよいか、ぜひ比較の材料にしてください。
家に侵入してくるコウモリって?
日本の民家に住みつくコウモリのほとんどは、アブラコウモリ(イエコウモリ)と呼ばれる種類です。虫を食べるため吸血はせず、人間に噛みつくような攻撃性もほとんどないおとなしい動物です。夏の初めから秋の半ばまで活動し、寒い時期には冬眠をします。
コウモリ(アブラコウモリ)に攻撃性はほとんどありませんが、糞尿による健康被害や建物の汚染被害は深刻です。コウモリのフンには病原菌がたくさん含まれているうえ、建物の建材を汚染したり、ほかの害虫やそれをエサとする害獣を呼び寄せる原因になったりします。
まずはコウモリ(アブラコウモリ)の生態を簡単に解説しながら、コウモリ対策のポイントについてご紹介します。これから対策をしようと思っている方は、対策の基礎知識を確認しておきましょう。
コウモリはどんなところに住み着く?
コウモリが住みつくのは、屋根裏や天井裏、雨戸の戸袋(戸の収納場所)のなか、換気扇の通気口のなかなどです。ベランダの通気口の下にフンが落ちていて、コウモリが住みついていると気づく場合もあります。薄暗くて閉鎖的な空間を好む生き物で、夕方になると外へ出て餌を食べ、数時間後に巣に帰ってきて眠ります。
コウモリは身体が人間の親指ほどの大きさで、とても小さい生き物です。そのため、1~2センチメートルほどの隙間にも侵入することができます。住民が気づかないような場所にできている小さな隙間から屋内に入り込んで、屋根裏や戸袋のなかにねぐらを作ることがあるのです。
コウモリは群れで生活する生き物なので、数年間対処をしなかったがために、100匹以上のコウモリが建物に住みついた事例もあるといいます。
また、コウモリには帰巣(きそう)本能があるので、一度ねぐらにした場所には、追い出されても戻ってくることが多いです。一度の対策でコウモリをしっかりと追い出すためには、徹底的なコウモリ対策を心がけましょう。
コウモリは自分での捕獲や駆除ができない
コウモリを自分で捕獲・駆除して傷つけてしまった場合、鳥獣保護法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰則が科せられます。
法律では、コウモリの子どもも同様に保護の対象となっています。自分でコウモリ対策をおこないたい場合は、間違ってもコウモリを傷つけたり殺したりしないよう、細心の注意を払いましょう。
対策グッズを活用!自分でできるコウモリ対策の方法
対策グッズを活用すると、コウモリ対策が自力でおこないやすくなります。コウモリ対策はまず屋内にいるコウモリを追い出すところからはじめますが、対策グッズを使わずただやみくもに追い払おうとするだけでは、簡単には追い出せません。
ここからは、コウモリがいる場所別でコウモリを追い出す方法と、コウモリを家に再侵入させない方法についてご紹介します。どちらもコウモリ対策には欠かせないポイントばかりですので、目をとおして予習を万全にしましょう。
対策1.コウモリを追い出す方法
駆除に最適な時間は、コウモリが外へ出ていく夕方です。コウモリを追い出す方法は、コウモリがいる空間の広さによって2種類にわかれます。
- 狭い場所:戸袋、通気口など
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狭い場所にいるコウモリには、コウモリ駆除スプレーを吹きかけて撃退します。これらのスプレーはコウモリを殺すものではなく、コウモリの嫌いなハーブやナフタレンなどの香りを使ってその場から追い出すためのものです。
- 広い場所:屋根裏など
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屋根裏などの広い場所には、スプレーではなく燻煙剤を使います。これも、駆除のための燻煙剤ではなく、ハーブなどの香りを使ってコウモリを生きたまま追い出すための薬剤です。
スプレーと違って、燻煙剤は空間のなかににおいを充満させることができるので、広めの空間にいる多くのコウモリを追い出すときに使いましょう。
対策2.コウモリを再侵入させない方法
アブラコウモリは、1~2センチメートルほどの隙間があれば内部に侵入することができるため、コウモリの再侵入防止のためには、建物に空いている穴という穴を埋める必要があります。
しかし、建物に空いている穴のなかには、通気口や換気口など、事情により完全に埋めてはいけない穴もあります。完全に埋めてもよい穴なのかどうかによって、次の道具を使い分けましょう。
穴を完全に埋めてはいけない場合:換気口、通気口など
- 亀甲金網
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細い針金がよりあわされて八角形の亀甲模様に編まれている網で、ネズミの侵入予防にも使われます。柔らかく、手で自由に曲げられるため、小さくして隙間に詰めるなどの応用も可能です。柔らかいぶん強度は少々弱いため、考慮して使用しましょう。
- パンチングメタル
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規則的に穴が空いた鉄板で、とても丈夫なのが特徴です。亀甲金網のように曲げることはできませんが、耐久性もあるため、雨水に濡れやすい場所にある隙間や穴をふさぐ場合などに重宝します。
穴を完全に埋めなければいけない場合:壁のひび、屋根付近の隙間など
- シーリング材
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シーリング材は接着剤のような見た目のものや、手持ちポンプで押し出して使うものなどがあります。
なかにはペースト状の工材が入っていて、ひび割れの間に注入することで、隙間を埋めることができます。細かい隙間を埋めるときに役立ちます。 - パテ
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パテとは粘土のようなもので、亀裂にハケや手などで塗りつけておくと、パテが乾いたときに硬化して亀裂がふさがります。
エアコンのホースを壁にとおす口など、シーリング材ではふさぎにくい大きめの隙間をしっかり埋めたいときに、パテを使います。なかには、コウモリやネズミが苦手とする辛み成分(カプサイシン)が入った種類のものも売られています。
これらの道具を上手に使って、コウモリが侵入してきそうな大小あらゆる穴を埋めます。完全に蓋をすべき穴なのか、完全に閉じさせてはいけない穴なのかを判別して、その判別結果ごとに適切な材料を使って、コウモリの侵入を上手に妨害しましょう。
【超音波に磁石】こんな対策は意味がない?
超音波発生器や磁石を用いたコウモリ対策は、ほとんど意味がありません。それぞれ別の理由がありますが、共通するのは「それらの対策よりも別の方法で確実に駆除するべき」だということです。
- 超音波をコウモリに直接当てないと意味がない=当てるのに手間がかかる
- コウモリが超音波に慣れてしまう
- コウモリが自分の超音波を変えることで、超音波発生器に適応してしまう
以上の理由から、多くの場合、超音波発生器がコウモリに対して効果があるのは、機械を設置した直後だけです。
磁石に至っては、「磁力がコウモリの超音波を狂わせる」というのは迷信で、コウモリ対策としての効果はまったくありません。なぜなら、超音波と磁力は別のもので、互いに干渉し合うことがないからです。コウモリに磁石は効果がないので、ねぐらなどに設置しても無駄に終わってしまいます。
上記の2つの対策に共通することは、効果がほとんどないということです。これらの手段をあてにしてコウモリ対策をおこなうのは失敗のもとなので、すぐに効果がなくなってしまう方法を試すよりは、初めからもっと確実な対策をおこないましょう。
自分でコウモリ対策をする場合の注意点
自分でコウモリの対策をするときには、ただコウモリを追い出して入り口をふさいだら終わりではありません。その後にも、自分の手でやらなければならないことがたくさんあるうえ、場合によっては自分の力だけではうまく対処できないこともあります。
自力のコウモリ対策で気をつけなければいけないポイントについてご紹介しますので、ご自分のトラブルが自力で解決できるものなのかどうか、よく見極めてみましょう。
対策後はフンの掃除や除菌が必要
コウモリを家から追い出して侵入経路をふさいだあとに、かならずおこなわなければいけないのがコウモリのフンの掃除と除菌です。コウモリのフンは雑菌や病原菌が多く放置するのは危険なうえ、放っておくと建物を汚染するからです。
また、フンを食べに集まるゴキブリなどの害虫が、ネズミをはじめとするほかの害獣のエサとなるため、コウモリのフンは新たな害獣被害の引き金となることもあります。
フンの掃除をおこなう際は、コウモリのフンやねぐらはとても不衛生なので、完全防備の服装を整えましょう。コウモリのフンは乾燥していてすぐに粉末になり舞い上がるので、口や鼻から肺に入ったり、目の粘膜に付着したりするのをマスクやゴーグルで防ぐ必要があります。
- 帽子
- ゴーグル
- マスク
- ビニール手袋
- 汚れてもよい(捨ててもよい)長袖長ズボン
- 首に巻くタオル
- ゴミ袋
- 消毒液
- 不要な(捨ててもよい)雑巾・ほうき
- ちりとり
- 準備した服装をすべて身につける。素肌が出ないように首にもタオルを巻く。
- 散乱しているコウモリのフンを、ほうきとちりとりで集め、ゴミ袋に入れる
- コウモリのフンを回収し終えたら、消毒液と雑巾を使い拭き掃除をする
- 拭き掃除が終わったら、雑巾やマスク・手袋など、捨てられるものはできるだけゴミ袋に入れ、固く口を縛る
- 身につけていた衣類で、洗って再使用したいものがあれば、かならず念入りに洗濯する
このときに大切なのは、コウモリのフンに直接触れない・粉末状になって空気に含まれているコウモリのフンを吸い込まない、ということです。
コウモリのフンには多くの病原菌が含まれていますが、おそろしいのは、コウモリは人間に感染する「人獣共通感染症」を移しやすい動物だということです。海外では、コウモリから移ったウィルスにより、多くの人が死に至る重篤な病気がいくつも発生しています。
日本ではまだそのような集団感染は起こっていませんが、コウモリは人間に移りやすい危険な病原菌を持ち得る動物なのだということを念頭に置き、用心して作業しましょう。
自分では対応しきれないケースもある
コウモリの対策を自分でやってみようとする前に、現状が自力で解決できるものなのかを確認してみましょう。次のいずれかのポイントに当てはまる場合は、確実な駆除が難しくなるので、自分で対応するのはやめたほうがよいです。
- 夏や冬に駆除したい場合(コウモリの子育て・冬眠期なので駆除しにくい)
- コウモリの数が多すぎる
- コウモリの侵入経路をすべて見つけて埋められる自信がない
- 不衛生な場所(コウモリのねぐら)に入りたくない
- コウモリのフンを自分で処理するのに不安がある
このような場合、たとえ自分で駆除しようとこころみたとしても、自分でうまく作業ができないなどのトラブルが起こり、途中で挫折してしまうことも多いです。また、前述のとおり、こうもりのねぐらに入って作業をするのは衛生的にも不安がありますので、好ましいことではありません。
コウモリ対策を自力で進めることに少しでも不安があるなら、プロの業者に相談しましょう。次の章では、コウモリ対策をプロの業者に依頼するメリットと、実際の相場についてご紹介していきます。
コウモリ対策はプロに頼んだほうがいい?
コウモリの対策をプロに頼むメリットには、適切な方法でコウモリを追い出してくれること、自分で掃除・消毒をしなくてよいこと、アフターフォローがある場合があることなどが挙げられます。これらのメリットが魅力的に思える方は、コウモリ対策は自分でおこなわずに業者に対処を依頼しましょう。
業者に依頼するとなると、多くの方が気にされるのが、費用相場ではないでしょうか。ここからは、コウモリ対策をプロに任せるとどのような料金がかかるのかについてご紹介します。
コウモリ対策をプロに依頼した場合の費用相場
コウモリ対策をプロに依頼する場合、費用は次のようになることが多いです。コウモリ対策の費用は、作業する場所の広さや高さ、コウモリの数などによって変動するため、ひとつの目安として参考にしてみてください。
- 平屋:10~20万円
- 2階建ての建物:20~40万円
- 築年数の経った日本家屋:70~100万円
- コウモリを追い出す:2~3万円
- フンの掃除:5千円~1万円
- フンの消毒:5千円~1万円
- 侵入経路を調査し埋める作業:3千円~1万円
- そのほかの費用(高所作業、出張にかかるお金など):およそ1万円
また、コウモリ駆除を請け負う業者にも、3種類あります。
- コウモリ駆除専門業者
- 害虫、害獣、害鳥駆除業者
- 行政(保健所や役所など)
このうち、上の2つはコウモリ対策の費用が本格的に発生しますが、そのぶんプロならではの知識を活かして、徹底的にコウモリ対策をしてくれます。一度の施工でコウモリのお悩みをすっきりしたいなら、コウモリ駆除専門業者か、害獣駆除業者に依頼しましょう。
コウモリ対策のプロをお探しなら……
コウモリ対策をしてくれるプロの業者をお探しの方は、弊社へご依頼ください。弊社では、基本料金のなかに、すでに次の4種類の工程が含まれているため、コウモリに関するトラブルに徹底的に対処することができます。
- コウモリの追い出し
- コウモリの侵入経路の封鎖
- フンの清掃
- 消毒
また、ご依頼をいただいた現場のある地域に対応している業者が現場に駆けつけて、トラブル解決をおこないます。そのぶん、遠方の業者に依頼をするよりも移動費用を抑えやすくなり、徹底的な駆除を依頼したとしてもお安めの費用で済むことが多いのも、弊社の強みです。
正確な現地調査を経てお見積りを提示し、お客様にご契約いただいたあとは、一切追加費用が発生しないのも安心のポイントです。以上のように、高品質のサービスを安心してご利用いただくことができるので、弊社にぜひお電話ください。
まとめ
コウモリの対策は、ただコウモリを家から追い出せばよいだけではないため、素人には難しいポイントがたくさんあります。帰巣本能からコウモリが元の場所に戻ってこようとするので、トラブルが再発しないようコウモリの侵入経路となりうる隙間をすべて埋めなければなりません。また、フンをきれいに掃除・除菌したりと、おこなわなければいけないことはたくさんあるのです。
そのようなコウモリ対策を自分でおこなう自信がない場合や、確実にやり遂げたいという場合は、業者に頼んだほうが安心です。コウモリを傷つけずにスムーズに徹底駆除するには、プロの業者の手を借りるのが一番よいのです。
ご自宅のコウモリ対策をご検討中の方は、一度ぜひ弊社にご連絡ください。コウモリ対策のプロが、トラブル現場をしっかりと調査し、適切に徹底対応いたします。